東京地方裁判所 平成3年(ヲ)2091号 決定 1991年5月29日
当事者 別紙当事者目録のとおり
主文
相手方は、別紙目録記載の不動産について、買受人が代金を納付するまでの間、その占有を他人に移転し、又は占有名義を変更してはならない。
(裁判官松丸伸一郎)
別紙当事者目録
申立人(債権者) 株式会社住総
代表者代表取締役 中島敏郎
申立人代理人弁護士 塚田斌
相手方(債務者兼所有者) ○○株式会社
代表者代表取締役 乙野次郎
別紙物件目録
一棟の建物の表示
所在 中野区江古田一丁目二六三番地
建物の番号 アビターレ哲学堂
構造 鉄筋コンクリート造ルーフイング葺三階建
床面積 一階 158.58平方メートル
二階 164.39平方メートル
三階 113.08平方メートル
専有部分の建物の表示
家屋番号 江古田一丁目二六三番四
建物の番号 二F
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造一階建
床面積 二階部分 155.78平方メートル
附属建物の表示
符号 一
種類 車庫
構造 鉄筋コンクリート造一階建
床面積 一階部分 25.79平方メートル
別紙保全処分命令の申立書
東京地方裁判所民事第二一部 御中
平成三年五月二日
申立人(債権者)代理人
弁護士 塚田斌
当事者の表示 別紙当事者目録のとおり
申立ての趣旨
買受人が代金を納付するまでの間、相手方は、別紙物件目録記載の物件に対する占有を他人に移転し、又は占有名義を変更してはならない。
との裁判を求める。
申立ての理由
一 申立人は信託銀行が合同で設立した住宅ローン及び不動産担保融資等を業とする会社であり、相手方は不動産業とパチンコ店の経営を業とする会社であるが、平成二年一〇月一二日、相手方に対し、当時の代表取締役であった倉田孝夫の東京での社宅購入の為の資金として金三億二〇〇〇万円を貸与し、その担保として別紙物件目録記載の建物に抵当権を設定した。
二 ところが、相手方は申立人に平成三年一月一二日に支払うべき利息の支払いを、早くも遅延した為、申立人は相手方に集金に行き、その際四月一二日に支払うべき利息の支払いの為の先日付小切手を受取ってきた。
そして、申立人が平成三年四月一五日にその小切手を取立てに回したところ、資金不足の理由で支払いを拒絶されてしまった。
三 そこで、申立人は、平成三年四月二五日、相手方所有の別紙物件目録記載の建物に対し、御庁に抵当権の実行としての競売を申し立て、同月三〇日、競売開始決定がなされ、平成三年(ケ)第五九〇号不動産競売事件として第三競売係に係属中である。
四 ところで、相手方は、申立外甲野太郎(仮名)からも金一億円の借入れをしていたが、相手方がその返済ができなくなるや、甲野太郎は会社役員をそっくり変更する方法で相手方会社を乗っ取ってしまった。
そして、当初は甲野自身が相手方の代表取締役になっていたが、平成三年三月一日、代表取締役を現在の乙野次郎(仮名)に変更してしまった。
五 ところで、甲野は山口組系益田組と深い関係を有する金融ゴロ及び占有屋で、執行妨害の知識をかなり有している。
相手方会社を乗っ取って、会社役員を全て変更し、更に一ケ月もしない内にまた役員を変更したのも、執行妨害の為と考えられる。
なお、相手方は支店所在地の東京法務局新宿出張所には役員変更登記を全くしていないが、これは役員変更が会社乗っ取りの為で、正常のものではないことを示すものである。
六 前述のように、本件建物は相手方の東京での社宅として購入されたものであるが、会社の経営が行き詰まった為、現在、本件建物は全く使用されておらず、空家の状態である。
それ故、甲野が配下の者を使って本件建物を占有させ、建物の占有関係を不明確にし、その結果、本件建物の価格を著しく減少させてしまう虞れがある。
七 よって、申立人は民事執行法第一八八条、第五五条に基づき、申立ての趣旨記載のとおりの裁判を求める次第である。
別紙 当事者目録
申立人(債権者) 株式会社住総
代表者代表取締役 中島敏郎
申立人代理人弁護士 塚田斌
相手方(債務者兼所有者) ○○株式会社
代表者代表取締役 乙野次郎
別紙 物件目録
一棟の建物の表示
所在 中野区江古田一丁目二六三番地
建物の番号 アビターレ哲学堂
構造 鉄筋コンクリート造ルーフイング葺三階建
床面積 一階 158.58平方メートル
二階 164.39平方メートル
三階 113.08平方メートル
専有部分の建物の表示
家屋番号 江古田一丁目二六三番四
建物の番号 二F
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造一階建
床面積 二階部分 155.78平方メートル
附属建物の表示
符号 一
種類 車庫
構造 鉄筋コンクリート造一階建
床面積 一階部分 25.79平方メートル